気づけば、あなたが
校門の前は、生徒や父兄たちで溢れていた。
それぞれの中学三年間、今日の卒業式を持って ひとまずピリオドが打たれる
杏は校門をくぐり抜けると、いつもと同じように友人達と挨拶を交わす。
美波は、その様子をひとつひとつ把握するかのように見つめている。
彼女自身、答辞の内容を変更すべきか迷っていた。
一時の感情に押し流されて勝手なことをしていいものか・・・。
自ずと答えは出ていた。
昇降口で本田が腕を組んで、二人が来るのを待っていたからだ。
「おはよう、お二人さん!」
「おはよう、本田!」
杏と美波は一緒に言った。
「とうとう来ちゃったな」
本田は美波の方を見つめた。
杏はフッと笑った。
「何なの。私に気使わなくてもいいよ」
「やだぁ、勘違いしないでよね」
美波は否定しながらも、半分は認めているかのように、はにかんで答えていた。
杏はそんな美波を、隠し事が出来ないたちだと思った。
それぞれの中学三年間、今日の卒業式を持って ひとまずピリオドが打たれる
杏は校門をくぐり抜けると、いつもと同じように友人達と挨拶を交わす。
美波は、その様子をひとつひとつ把握するかのように見つめている。
彼女自身、答辞の内容を変更すべきか迷っていた。
一時の感情に押し流されて勝手なことをしていいものか・・・。
自ずと答えは出ていた。
昇降口で本田が腕を組んで、二人が来るのを待っていたからだ。
「おはよう、お二人さん!」
「おはよう、本田!」
杏と美波は一緒に言った。
「とうとう来ちゃったな」
本田は美波の方を見つめた。
杏はフッと笑った。
「何なの。私に気使わなくてもいいよ」
「やだぁ、勘違いしないでよね」
美波は否定しながらも、半分は認めているかのように、はにかんで答えていた。
杏はそんな美波を、隠し事が出来ないたちだと思った。