気づけば、あなたが
「あれ? いつの間にくっついたのかな」

杏はニヤニヤしながら美波に迫った。


美波は幾分、動揺していた。

そんな美波に本田は答えた。


「まだ俺の片思いなんだ」


ん・・・?

杏は不思議そうな顔で本田を見た。


「意味わかんない、どう見ても付き合ってる感じだよ」


「俺さ、いいんだよ。美波の心の整理がつくまで待つしさ」


本田の表情は、晴れやかだった。


「そっかぁ・・・それなら私も静かにあんた達を見守るわね!」


「ごめんな、杏の力になれなくて。
でも陽介は・・・きっとお前の事が好きだと思うよ」


「もう、その名前は言わないで・・・」

杏は目を伏せる。


「もう本田は馬鹿なんだから!」


美波は本田をこづいた。


やっぱり陽介の名が出ると、かたくなに拒否反応を起こした。
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