気づけば、あなたが
杏と美波

二人の役目は終わり卒業式もクライマックスを迎える。




「卒業生 退場」


卒業生達は、クラスごとに立ち上がった。


杏は入場してきた時と同じ、また陽介と並んで歩く。



杏は自分を奮い立たせるように、泣き顔は見せなかった。



そして、

杏は陽介と目を合わさぬように視線を逸らし、前を向いた。



杏は自分の心に
嘘をついて、今は歩く事しか出来なかった。



陽介の本心が、見えないから。



気持ちの整理もついていないまま、卒業式が来てしまった。



お互いが通じあえないまま、時は悪戯に過ぎていってしまうのだろうか・・・?



それぞれの中学校生活に、ひとまずピリオドがうたれた。
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