気づけば、あなたが
杏は店員にオーダーし終えると、また窓の外を眺め始めた。



「ホントはさぁ、春休みに みんなで遊びに行こうって思ってたのに!」



美波はつまらなさそうに言った。



「いまさら・・・言ってもだろう」



「そうだけど・・・なんか納得できないじゃん!」


美波と本田は、二人の世界に入りきっていた。




「お待たせしました」

店員がテーブルにオーダーしたものを置いた。


「ほら 二人とも おしゃべりいいからさ食べよう」


杏はそう言って
ケーキを食べ始めた。



美波も早速、ケーキに手をつけた。



「この後、カラオケでも行かない?」


珍しい誘いだった。


「ん…どうしようかな…?」


杏は考えている。



「良かったら、来ればいいじゃん
気晴らしになるし
これからみんな、それぞれが忙しくなると、なかなか会えないしさ」


本田はそう言って、杏を誘うと
彼女もまた、頷いた。


「じゃあ 決まりだね」


美波は笑顔で答えた。
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