気づけば、あなたが
映画が終わり、
俺は急用を思い出したと言って、ようやく佳奈と離れる事が出来た。



俺は本田にメールして家に訪ねに行った。




「やっと来たか」



本田はそう言って、缶コーラを差し出した。



「サンキュー!」


俺はいつもの自分に戻っていた。




「さっきまで美波と海藤と一緒にいたよ」


「そうか・・・」




「そうかじゃないぜ
美波なんか、もの凄いけんまくで怒ってたし参るよ」



「悪かったな・・・」


俺は素直に謝った。



「俺に謝っても仕方ないぜ
一番に謝らなきゃいけない人物に言ってあげたらどうなんだ!」



確かに本田の言う通りだった。



でも俺は、杏にあんな冷たい態度をとって、今更 どんな顔して会えばいいんだ



俺はとてつもなく
深い溝にはまっていた。
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