ラブレター

そこには今まさにスタートしようとしている加藤君の姿があった。

《けっこう大きい男の子なんだな…》
同じ小学生でもひょろっとした男の子とは違い、体格がいいことが薄いワンピース（試合用のボディスーツのようなもの）でも分かる。


《ワンピもいいもん着てるなー！》
当時ワンピースは結構な値段がした。大会に出る子供達のほとんどが持っていたが、その色やデザインでセンスが問われた。


《顔は見えないけど真剣な目だな～》
ヘルメットにゴーグルという出で立ちの加藤君。
顔は見えなかったが気合いが入っているのが伺える。

程よい緊張感のなかスタートを切る加藤君。


スタートバーが彼の足によって跳ね上げられた。