ラブレター
上がる雪しぶき。

颯爽と駆け抜けていく加藤君の後ろには、綺麗なラインがシュプールを描く。

ポールをスルスルと抜け、そして攻めるかのようにスキーを前に前に走らせて行く。


スキーが彼によって動かされているのが分かる。
私みたいにただスキーに乗って滑っているのではない。
まさに加藤君はスキーを滑らせていた。

躍動感溢れる滑り方に彼の姿勢が伺えた。真っすぐに、自分を信じ、練習の成果を今ここに!
勝利を勝ち取る勝者の滑りだ。




圧巻だった。
《…すごいなぁー》まさに心が震え、やっぱり加藤君はすごい人だと思い知る。




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