7つの日々。
部屋の中は真っ暗だった。
本が無造作に積み重なっていて、僕の足元には手が付けられていない夕飯らしきモノが置いてある。
そういえば6時に夕飯食べる習慣が、彼女の家にはあった。
それらを慎重に避けて進む。
真っ暗といっても、少しだけ灯りがある。
そこにあるのは希望? それとも絶望?
なんだっていい。
僕はそれに向かってゆっくり少しずつ確かめるように進む。
気がつくとベッドの前にいた。
携帯電話が開かれたまま置かれている。
それからうつ伏せで眠っている君がいた。
自然に笑みがこぼれた。
「……オト。」
僕はいとしい人の名前を呼ぶ。
僕しか、君をこう呼ばなかったんだ。
「オト。」
それで、喧嘩をした時は、僕はいつも君をこう呼んでいた。
「音子(ネコ)。」
そしたら君はいつも「猫いうなー!」って怒ってた。
目を覚まして。
カーテンの向こうでは時間が刻々と過ぎていった。