7つの日々。
3年前より少し低くなったような気がする。

聞き間違えるはずはない、少し高めの優しい声。

「……電気つけるね。」

慌てた僕は見当違いなコトを口走る。

頭が真っ白になった。

オトに話したいことはいっぱいある。

右から左に聞き流されてもいい。

君に伝えたい。

もっと君の声が聞きたい。

君が欲しい。

傍にいたい。

手を伸ばす。

夢でもいい。

僕は急いで元の道を引き返し、手探りで電気をつけた。

振り返った僕が見たのは、あのころより髪が伸びた君だった。

「ちー。」

「ただいま。」


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