7つの日々。
僕はその静けさを振り払うようにヘラリと笑ってみせた。

「今度は僕がオトの傍にいる。いままで、会いに来れなくて、ごめんな。」

オトの顔が少しずつ上がる。

あ、髪がぼさぼさだ。

それにロンTは色あせている。

オトの目は脅えてて、でも、僕を捕らえて固まった。

「オト。」

強くなったはずなのに、君の名前しか呼べない。

不甲斐無い自分がいやになる。

手を伸ばせば、君に触れられる?


それから。




君の声は、どこ?




雨の降る火曜日、僕は君が声を失ったコトを知った。
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