7つの日々。
眉間にシワを寄せるオト。

「先に戻る」という短文を残して、階段に消えていった。

その背中を見つめてしまう。

「ちいくん、説明、するよ。」

オヤジさんが重々しく口を開いた。

「まず、さっきの電話は、オトコの友達からのだ。オトコをあんな風にした、な。」

はぁ。

僕がいない3年間の話を、オヤジさんが話してくれた。

高1のときは、普通に、明るくて、正義感の強い、僕も知っているオトだったらしい。

しかし、その時の友達が悪かった。

よく言えば、悪友。

悪く言えば、……ガラの悪すぎるリーダー。

きっかけは、オトが喧嘩両成敗と突入した乱闘で意気投合したらしい。

オトらしい話だ。

それからも、ちょっとぶっ飛んでる友人関係が続いて、あの新聞記事がでた。

足の故障は、友達がやったらしい。

話によると試合直前にその友人はやってきた。

そして、激しい口論になった。

理由はわからない。

口論はやがて暴力となり、その友人はオトの足を蹴った。

当たり所が悪かった。

オトの選手生命は絶たれた。
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