*いつかまた・・・*
-2年前

その時私は中1で、お姉ちゃんは高3だった。

いつものように、私はお母さんと2人でリビングでくつろいでいた。

ーガチャ

リビングのドアが開いた。

「お帰りー!早かっ・・・・!!お姉ちゃんっ!?」

私の声と同時に、お姉ちゃんは泣き崩れた

「・・・ッ・・・ウウッ・・・由芽ッ・・・お母さ・・んッッ・・・私・・・ゆ、蒼にッ・・・振られちゃった・・・ッよぉ・-・・・アアアーッッ」

いつも笑顔で優しいお姉ちゃんが、今は涙で顔をグチャグチャにして泣いていた。

そんなお姉ちゃんは見たくなかった。

しばらくして落ち着きを取り戻したお姉ちゃんは、消え入るような声でポツリ、ポツリと呟いた。

-蒼の家にいったら、女物の靴があった。
-部屋に入ると知らない女性とキスしてた。
-理由も言わずにただ“別れてくれ”と言われた。

そう言ってお姉ちゃんはまた声を上げて泣き出した。

その日からお姉ちゃんは急激に痩せていった。

「優香・・・少しは食べて・・・」

お母さんが話しかけても“いらない”の一点張りで。

そんなこんなで一週間が過ぎた。

お姉ちゃんも大分元気になり、ご飯も少しずつ食べるようになった

-でも、見てしまったんだ。

蒼さんからもらったペアリングを見て、泣いているお姉ちゃんを・・・

「お姉ちゃん・・・」

「・・・グスッ・・あっ!由芽どうしたのっ?」

お姉ちゃんは笑顔をこっちに向けてきた。

多分、赤い目を見せたくなかったんだと思う。

「ねぇ、何で無理するの?」

「え?急にどうしたのー?全然、大丈夫・・・ッ!もう、アイツの事なんか・・・グスッ・・・ヒック」

そう言って、お姉ちゃんは言葉を濁してしまった

それでも私はただ立っていることしか出来なくて・・・

「・・・ゴメッ・・・ごめんねっ・・・やっぱり、私まだッッ・・・蒼の事ッ・・・忘れられなッ・・・い。ダメッ・・・ね・・・心配ばっかり・・・かけッ・・ちゃって・・・」

お姉ちゃんは辛いのに精一杯の笑顔で言った・・・

でも、その笑顔は今にも崩れそうで・・・

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