1Rの彼女
「な!いい女だろ?マジでタイプだなぁ~。」

「へ?そ、そうかぁ?」

やばい。声が裏返ってる。
なんとかして、この話題変えないと。


「康介、あと買うもんなんだっけ?」

「そんなん、後だよ。俺声かけよっかなぁ。」



…神様は残酷だ。
こんなに頑張ってる俺に、さらに愛のムチを与えるのですか?


「ウソ!?こっち見てるぞ!!向こうからお誘いかぁ~?」



「タク~!!おーい。こっちー。」

大声でぶんぶんと大きく手を振っている。
小走りで俺のもとへ駆け寄ってくる結子さん。
状況が状況じゃなかったら、かわいいなぁ~なんて思ったかもしれない。


その隣で、唖然とする康介。
俺と結子さんの顔を交互に見る。


「拓馬、もしかして知り合いか?」
「タクの友だち?」

康介と結子さんの声が重なった。



この状況。
どうやったら上手く誤魔化せる?
どうやる?俺!!





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