1Rの彼女
次は、キッチンチェック。
前のことがあるからな。

物の散乱はないが、所々に米粒が散らばっている。

なぜだ…?


「タク~。おかえり~!!出来立てほやほやだよ~。」


玄関まで結子さんが迎えにきてくれた。
嬉しいけど…、嬉しいんだけど…。
しつこいけど、前のことがあるからまだ安心は出来ない。


結子さんの唇のすぐ横に、ゴハン粒がついている。
なんだか、可愛いなぁ。
一生懸命作りました!!って感じがする。


「結子さん、ゴハン粒ついてますよ。」

「え!!どこ?とって!!」

「ここですよ。」


そう言いながら、俺は結子さんについているゴハン粒をとり、その流れで食べた。
その時、俺の指が結子さんの唇に触れた。
ほんの一瞬だったが…。


柔らかい。


食べた後に気がついた。
とっさのこととはいえ、俺なにしちまったんだろう…。






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