1Rの彼女
「拓馬くん!!」

聞きなれた声。
声の主は、亜希だった。


「本、返すの遅くなって本当にごめんね。すっごく面白かった!!だから私も買っちゃった。」

差し出されたのは、1ヶ月前位に貸した小説。
一緒にマドレーヌもあった。

「こんなのいつでも良かったのに…。わざわざ気ぃ使わせてごめんな。」


そのとおり。
今日じゃなければ…
結子さんのいる前じゃなければ…

なんで今日なんだよ。
なんでこうタイミング良過ぎるんだよ。



今まで、黙っていた結子さんが声を出した。

「はじめまして、成沢結子です。」


< 49 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop