1Rの彼女
突然訳の分からないことを言われ、戸惑う田村さん。
しかも言った相手は、ほぼ初対面の女。

そりゃ、反応に困るよな…。


「????えっと………?」

「あー!!なんでもないです。ただの勘違いです。面白いでしょ。あのっ!!旦那さんとお幸せに。」


誤魔化しきれない…。
我ながら下手くそだ。

『旦那さん』という言葉に気分を良くしたのか、田村さんに笑顔が戻った。


「じゃあ、時間だからそろそろ行くね。」

時計を見てそう言った。
去り際にもう一言。


「三上くんも、彼女と仲良くね。」


車に乗り、窓を開けて手を振ってくれた。
俺たちも手を振る。




『彼女』か………。





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