なくした記憶
☆七瀬☆



揺れていた

数学の一時間目も
理科の二時間目も
そして公民の三時間目も

ずっと揺れていた

とッティーの足が
一般に言う貧乏揺すりみたいな
頭を方手で支えながら
なんかすごいイラついている

そしてお昼

「とッティー、どうしたの?
 早くお昼食べよ」

「あ゛ぁ?」
鋭い目でにらんできた

「うひゃぁ、ごめんなさい」

「あっごめん」

「朝からずっとイライラしてない?」

「ちょっとね」

えぇ!あれでちょっと!?
すごくイライラしてるように
見えたけど

「今日帰り、どっか寄ってく?」

「…いや、ちょっと用事があるから今日、早退するんだ…」

「そうなんだ」

「ごめん」

そうか、…そうだ!









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