なくした記憶
「なんでっ!!分かんないよ秀くん!!!」

「…ごめん」

俺はドアに向かう

「まって!!!」

七瀬はベット俺の裾を思いっきり引っぱる

…やっと再会出来たのにな
もう手放さないと思ってたけど
無理だったな

パチンッ

「いっ………」
俺は七瀬の手を叩き落とした


「ごめん…」

俺は部屋を出た

ドアの隣の壁にもたれ掛かる

「ウッ…やだ…よぉウゥ…秀くん…分かんないよぉ…秀くん…グスッ」

七瀬の泣いている声が聞こえてくる

俺のほおに涙が流れる

そのまま俺はドアの前にしゃがみこんだ

「…七瀬…ごめん、ほん…と、ごめん」

俺と七瀬は一枚の壁をはさんで泣いていた






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