加納欄の記憶喪失 シリーズ5
高遠先輩は、笑いながら大山先輩の病室の扉を開けて入って行った。
あたしも、その流れで自然に入れた。
「タカなにやってんだよ。ノックから入ってくるまでが長ぇって」
「悪ぃ。欄と話してた。こいつアホなんだもん」
と、言ってあたしの頭をグイッと大山先輩の方へ、つきだした。
「お~、昨日の子。悪かったな、昨日は」
キノウノコ・・・。
ハァァァァァ。
「あの、私、加納欄って言います。よろしくお願いします」
あんまり、大山先輩の顔を見れなかった。
「欄ちゃんだろ?覚えたよ」
オボエタヨ。
オボエテルヨ。
じゃなくて、オボエタヨ・・・。
そのあとの言葉が見つからなかった。
「祥子は?」
大山先輩が、高遠先輩に聞いた。
「いや、今日はまだ見てねぇけど用事?」
さっき会いましたけど。
報告はしなかった。
「いや、特にないけど」
「なんだよ、それ」
「だから、特にないって。タカが来たから祥子も来たのかと思っただけだよ」
「あのっ!私、会いました。祥子先輩と。署に、連絡するって、行っちゃいましたけど」
大山先輩を見た。
「・・・そっか」
大山先輩の表情を見て、ズキンとした。
「ここにいても暇だし、退院でもするかな」
大山先輩が言った。
「お前はまだ入院だよ。退院していいのは、欄だけだ。ま、しばらく仕事のことは忘れろよ。ボケーっとしてたら、案外記憶も戻るかもしれないぜ」
大山先輩は軽く笑った。
「記憶?ちゃんと覚えてるって。まぁ、犯人の顔は覚えてないけどな。それ以外の事は覚えてるぜ」
え?
オボエテルの?
そして、大山先輩はあたしの顔を見て。
「あ・・・」
と、言った。
大山先輩の心の中には、片隅にもあたしは、いないんですか?
「悪い・・・」
大山先輩に、謝られた。
笑うしかなかった。
「な、なに言ってるんですか。謝るのは私のほうですよ。大山先輩、私かばってこんな目にあっちゃったのに。ホントに申し訳なくて・・・」
「・・・いや」
大山先輩は、何かを思い出そうとしたけど無理だったようだ。
あたしも、その流れで自然に入れた。
「タカなにやってんだよ。ノックから入ってくるまでが長ぇって」
「悪ぃ。欄と話してた。こいつアホなんだもん」
と、言ってあたしの頭をグイッと大山先輩の方へ、つきだした。
「お~、昨日の子。悪かったな、昨日は」
キノウノコ・・・。
ハァァァァァ。
「あの、私、加納欄って言います。よろしくお願いします」
あんまり、大山先輩の顔を見れなかった。
「欄ちゃんだろ?覚えたよ」
オボエタヨ。
オボエテルヨ。
じゃなくて、オボエタヨ・・・。
そのあとの言葉が見つからなかった。
「祥子は?」
大山先輩が、高遠先輩に聞いた。
「いや、今日はまだ見てねぇけど用事?」
さっき会いましたけど。
報告はしなかった。
「いや、特にないけど」
「なんだよ、それ」
「だから、特にないって。タカが来たから祥子も来たのかと思っただけだよ」
「あのっ!私、会いました。祥子先輩と。署に、連絡するって、行っちゃいましたけど」
大山先輩を見た。
「・・・そっか」
大山先輩の表情を見て、ズキンとした。
「ここにいても暇だし、退院でもするかな」
大山先輩が言った。
「お前はまだ入院だよ。退院していいのは、欄だけだ。ま、しばらく仕事のことは忘れろよ。ボケーっとしてたら、案外記憶も戻るかもしれないぜ」
大山先輩は軽く笑った。
「記憶?ちゃんと覚えてるって。まぁ、犯人の顔は覚えてないけどな。それ以外の事は覚えてるぜ」
え?
オボエテルの?
そして、大山先輩はあたしの顔を見て。
「あ・・・」
と、言った。
大山先輩の心の中には、片隅にもあたしは、いないんですか?
「悪い・・・」
大山先輩に、謝られた。
笑うしかなかった。
「な、なに言ってるんですか。謝るのは私のほうですよ。大山先輩、私かばってこんな目にあっちゃったのに。ホントに申し訳なくて・・・」
「・・・いや」
大山先輩は、何かを思い出そうとしたけど無理だったようだ。