加納欄の記憶喪失 シリーズ5
あたしの存在通り越して、あんな、ストレートに告白して。
今のあたしには、逃げることで、今のあたしを立たせていた。
あたしの頭の上にポンッて、手がおかれた。振り向くと、高遠先輩が立っていた。
「お、おはようございます」
高遠先輩の表情は、全てわかっている表情だった。
「ホントに完治したのか?」
「し、しましたよぉ、だから、今から外回り行くんじゃないですか」
ウソだった。
あたしの、肩は完全回復なんてしてない。
薬があるから痛くはないけど、医者からも急激な動きはしないようにと言われていた。
「オレと組むか?」
高遠先輩が、言った。
「残念です。吉井さんと行けって課長命令なんですよ」
もちろんウソ。
「何たくらんでる?」
ドキッ!
「い、いやですねぇ。企むって、失礼ですよ。さぁてと、吉井さんとお仕事はじめよぉ、吉井さん、私先に行ってますからね」
やっぱり、高遠先輩はめざとかった。
コートを着て、南署305の覆面車に乗り込んだ。
5分ほどして吉井さんが車に来た。
「よし、じゃ、出発するか、この資料に目を通しておいて、今日周る所だから」
今のあたしには、逃げることで、今のあたしを立たせていた。
あたしの頭の上にポンッて、手がおかれた。振り向くと、高遠先輩が立っていた。
「お、おはようございます」
高遠先輩の表情は、全てわかっている表情だった。
「ホントに完治したのか?」
「し、しましたよぉ、だから、今から外回り行くんじゃないですか」
ウソだった。
あたしの、肩は完全回復なんてしてない。
薬があるから痛くはないけど、医者からも急激な動きはしないようにと言われていた。
「オレと組むか?」
高遠先輩が、言った。
「残念です。吉井さんと行けって課長命令なんですよ」
もちろんウソ。
「何たくらんでる?」
ドキッ!
「い、いやですねぇ。企むって、失礼ですよ。さぁてと、吉井さんとお仕事はじめよぉ、吉井さん、私先に行ってますからね」
やっぱり、高遠先輩はめざとかった。
コートを着て、南署305の覆面車に乗り込んだ。
5分ほどして吉井さんが車に来た。
「よし、じゃ、出発するか、この資料に目を通しておいて、今日周る所だから」