加納欄の記憶喪失 シリーズ5
「こんなこと?あぁ、欄の好きな刑事さんをボコったこと?それとも、俺が背後から欄を襲ったこと?」

「遼・・・なの??ヤク中をけしかけたのは。私を襲ったのも?」

「まだ痛いんだろ?あれでも手加減するようには言っといたんだぜ。薬きれかかってたから、何言っても言うこと聞かねぇけどな。あの刑事もよく死ななかったな。死んでくれてよかったのに。そうしたら、欄も組織に戻りやすかったのにな。記憶喪失なんて、面倒くさいよな」


何を言っているの?


なんで、あんなことができるの?


あたしを組織に連れ戻す為だけに、大山先輩をあんな目にあわせて、死ねばよかった?


「ふざけんじゃないわよっ!」


ゆるさない!


 あたしは、頭に血がのぼり、遼に向かって行った。

 空振りするたびに、右肩に激痛が走った。

 全くパンチもキックも当たらず、余計にイライラした。

 回し蹴りをした時に、右足を遼の手で押さえられてしまった。

 遼は、片足を持ったまま前へ進み。あたしは、片足で、ケンケンする感じで、後ろに下がった。

 ベッドにぶつかり、体制が崩れた。

 遼があたしの上に四つん這いになった。

「どいて!」

「どかない。この日を待ってたんだ」

 そう言うと、遼は白のワイシャツを無理矢理左右へ開いた。

 心臓が早くなった。

「この日を、ずっと待ってたんだ」

 遼は、震える手で、あたしの胸をブラジャーの上から触れた。

「遼(>_<)やめてっ!」

 遼の耳には、あたしの声が届いていなかった。

 遼の手は、ブラジャーの紐とブラウスをゆっくり片方づつ下ろしていった。

「遼!お願い!やめてっ!」

 遼の唇が、鎖骨にキスをした。


イヤッ(>_<)!


それ以上されたら・・・。


「孔明師範に犯されてるお前を毎晩見て、いつかは俺もお前を犯すんだと思っていたんだ」

 そう言いながら、遼はあたしの首筋にキスをしてきた。


ダメェ。


 あたしの弱点をまるで知っているかのように、遼は首筋を愛撫した。

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