Comfortable
「・・・すっごい人気なんだね」


溜め息まじりに生徒会室の前が女の子で塞がってるのを見ながら言った。


「何を、今更」


退屈そうに言う真綾。


「まぁ、容姿端麗に勉強、運動神経も良しとなれば女の子も寄ってくるんじゃないの?おまけに性格は優しいからそりゃモテるわよ」


真綾は下級生をウザそうに見ながら言っていた。


「今までそれに気づかなかったのってきっと結花ぐらいよ」


あたしは真綾の発言に苦笑してしまった。


あたしって鈍感なのかな・・・。


そう思いながらブレザーを羽織って鞄を持ち上げる。


「あ、春原帰るー?」


そう言いながらさっきまで会長と話していたはずの刹那があたしのところまで来た。


「うん、疲れちゃったし」


あたしが苦笑気味で言うと刹那も鞄を持ち「俺も帰るから一緒に帰ろうぜ」と言ってきた。


「あ、その前にちょっとバスケ部に顔だしにいっていい?」


刹那はあたしの手を掴みながら会長に「帰るな」と声をかけていた。


「え、1人で帰る!」


あたしがそう言ってるのが聞こえてるはずなのに彼はあたしの発言を無視して生徒会室の扉を開ける。


扉を開けたら女の子がたくさんいて「一緒に帰りません?」など声をかけてくれているのに彼はそんな言葉に「ごめんね」と答えてどんどん歩き続ける。

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