Comfortable
「だって、俺、お前のナイトだし?」


そう、笑いながら言う彼にあたしは呆れて何も言えなかった。


刹那と居るとなんだか不思議な感じがいつもする。


さっきまであたしの心は氷のように冷たかったのに刹那と話すたびにあたしの凍った心が春の雪解けのように暖かくなっていく。


「何それっ。刹那ってよくわかんないや」


あたしは笑いながら言った。


「え、単純にお前が好きだからその笑顔を守りたいだけだけど?」


そんな台詞を言う刹那にあたしの顔は勿論、茹で蛸状態。


「な、何あたしをからかって遊んでるのよ!それに冗談もほどほどにしてよねっ!」


あたしは少し焦る気持ちを押さえ付けながら言った。


「からかってねぇよ。ずっと好きだった。悠とお前が付き合う前から俺は春原が好きだったんだよ」


彼はあたしの頭をポンっと叩きながら言うその姿はとてもからかってるようには見えなかった。


「な、言っちゃ悪いけどっ。あたしを好きになる人なんてよっぽどの変態か変人か頭のネジ2〜3本取れてる人だと思うけど?」


あたしの発言に彼は少し戸惑ったように言った。


「何、それ?俺に対する誉め言葉かな?結花ちゃん」


刹那に初めて下の名前で呼ばれ少しドキドキしてしまった。
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