Comfortable
あたしも教室に戻ろうと廊下を歩いていると向こうから笹山の姿が…。


避けるにも避けようがなく…。


「「あ…」」


お互いそんな声を出していた。


予鈴が鳴り終わっているからか廊下は静かであたしと笹山以外誰もいなくてその空気がまた気まずさを保ちだしている。


「体調…大丈夫か?」


笹山が先に口を開いた。


剣道の練習でもしていたのだろうか?額に汗がたくさんついていた。


「えっ?あ、うん。まあ…」


あたしはそんな返事しかできなくまた無言の会話になる。


「あのさ、話したいことあるから5限目サボらないか?」


笹山の言葉にあたしは目を開いた。


話したいことって一体何なんだろう……。


否定したかったけど断る理由もなくあたしは「うん…」と返事をして笹山とサボる事になった。


さすがに廊下で話すのは先生に見つかったりしたらめんどくさいことに成り兼ねないので、あたし達は普段使われていない5階の教室を使う事にした。
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