Comfortable
「で、結花の気持ちはどうな訳?」


真綾はあたしのシャーペンをくるくるペン回しをしながらあたしに聞いてきた。


「あたしの気持ちってそんなこと言われても好きじゃないからなんとも思わない。ただ言わせて貰えば、ややこしい関係に巻き込まれたくないだけ」


あたしは真綾からシャーペンを取り返し問題をまた解き始める。


今の言葉に嘘は無いといえば嘘になる。


きっと、この気持ちは誰にもいえない。


ううん、言ったらダメなんだ。


この気持ちを人にいう事になれば、自分の中にある感情を認める事になる・・・。それだけは絶対に避けたい。


今ならまだ間に合う。


「そう?なら、いいんだけど・・・」


真綾はあたしの方を少し見て自分の鞄からプリントを取り出した。


「これ、体育大会でする予定のプログラム作成表。よろしくね?」


あたしに1枚のプリントを渡してから真綾は教室から出て行った。


渡されたプリントには、行われる種目が書かれていた。


これをあたしがパソコンで打ち込んだらプログラムの完成って訳か・・・。


当分、忙しい日が続きそうだからバスケ部には顔を出せなそうだ。


刹那とは生徒会の係りの仕事が違うし会うことも無い。


あたしは生徒会の中の実行委員だけど刹那は違う。


仕事を与えてくれた真綾に感謝しながらあたしはまた窓の景色を見続けた。





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