Comfortable
これは早いうちに自分でさっさと最善になる選択をしてしまった方がいいかもしれない。


ややこしいことになる前に。


ならば、選択肢はただ一つ。


刹那との距離を開ける。


これが今のあたしに最善の方法なのだと思う。


まだ刹那のことを好きっていう感情は生まれかけだけど完全に生まれたとは言いにくい。


だからこそ、早いうちに手を打つんだ。


相手に溺れてしまう前に。


自分自身を見失ってしまう前に。


「あっ、結花!なんで朝練でなかったのよっ」


声が聞こえたと思ったら頬を膨らませて美月が怒ったようにあたしを見てきた。


そう、美月が刹那を好きなら尚更・・・。


「あ、ごめんっ。あたし、当分部活でれないや。体育祭のこと決めないとダメだからさっ」


あたしがそう言うと美月は驚いたように刹那の方を見ながら「そうなの?」と聞いていた。


「あ、美月?あのね、あたしと刹那は生徒会の中でも全然役割が違うから。あたしが入ってるのは生徒会の中でも一番忙しい実行委員だからこの期間になるとプログラム作成とかで忙しくなるんだっ」


あたしがそういえば美月は納得したように「そうなのかあ・・・」と言っていた。


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