‡不思議な彼は雨男


雨はまだ降り続いていた。


私がレインを外に出すと

「もう離していいよ。」

といつもの調子の声がかけられた。

「えっでも…」

私が次の言葉を言おうとした時には既に、レインは私から離れて普通に歩き出していた。

えっ!!

私はレインの右足のスニーカーを見た。

スニーカーから漏れ出していた水は止まっていた。


「…どういうことなの?」


私はさっきレインが私にしたように、レインの前に立って真っ直ぐに目を見つめ聞いた。

「‥いい加減話さないと怒るよね?」

「…怒るかもよ?」

レインは微笑して

「わかった。信じてもらえないかもしれないけど…。」


ようやく自分について話しだした。
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