‡不思議な彼は雨男
「足が崩れるの‥?」
「…まだ足で良かったけどね。顔とかだったらー‥」
私とレインは想像しかけて止めた。
「じゃぁ一日中お風呂に浸かってたらいいの?」
「うーん。それを実行すると水道代が凄いことになると思うよ。」
レインは私の変な質問にまで真面目に答えた。
「…ねぇ。体が水でできているから食べ物を食べないの?」
「うん。消化できないし、第一お腹が空かないからね。ジュースを飲むことは可能だけど…」
レインは少し考え込んだ。
「…そんなことしたらせっかくの色素構成が台無しになるかな。」
「色素?」
「例えばオレンジジュースを飲んだ場合、僕の髪の毛がオレンジ色になるって事だよ。」
「…からかってない?」
やっぱり、そんな話は信じられない。
「僕がこんな真剣に嘘をついた事があるかい?」
レインは私に向かって微笑んだ。