‡不思議な彼は雨男

「あ、レイン!知ってる?明日から梅雨明けなんだって。」

「え?」

「…だからこれからたまにしか会えなくなるね。」

私はそう言ってレインの表情を見た。

レインは初めて動揺した様子を見せた。

「…‥レイン?」

私の呼びかけにレインはハッと我にかえる。

「いや、何でもないよ。」

「‥ホントに?」

「…雫。」

「何?」

「いや、やっぱり今度にするよ。」

そう言って微笑したレインはやっぱりどこか寂しげだった。


それなのに、単純な私は小雨だから元気がでないのかと思っていたんだ。
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