‡不思議な彼は雨男


「雫。左手貸してくれないかい?」

レインの突然のお願いに私は驚いた。

「左手?」

私はレインに左手を差し出した。

レインは私の手を右手で受けとって、自分のズボンのポケットから指輪を取り出した。


それは碧くて綺麗な石だった。


「あ…アクアマリンの‥。」


「僕は梅雨の時期しか会えないし、体の全てが水で出来てて、しかも雨じゃないと自由に動けないんだけど…

‥本当にいいの?」


「それでもいつも空で見ててくれるんでしょ?

‥いいよ!!」



レインはアクアマリンの指輪を私の左手の指にはめた。(どの指かは内緒。)
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