高校生マフィア02
「あーーー!!すっごいねー。朱雀さんの説明、先生より分かりやすいよー」
「ありがとう」

30分後、卓真と朱雀さんの、その短い会話以外は部屋から聞こえない
爽樹も気ぃ使って静かにお茶飲んで、俺も静かにしてる

「…そういえば」

朱雀さんが顔を上げた
赤いメッシュが揺れた

「雪姫は合格すれば推薦で年内に進路が決まるんだよね。どうして卓真とかは推薦じゃないの?」
「あれだよ。ホラ、雪姫は授業態度もいいしA組じゃないけど学年トップクラスの秀才だし…社交辞令ちゃんとできて先生ウケもいいから…」

ここが詐欺師の面影、垣間見えるトコだよなー。と思って笑ってみたり
卓真も自分で言いながら苦笑い

「俺はA組だけど慧とか雪姫みたいに平均的に勉強が出来るワケじゃないし、授業態度悪いから推薦枠に入れなかったの」
「ふーん…じゃあ、慧は?慧は素行も良さそうだし勉強も出来るよね?」
「…俺は、藁間の家程、金持ちじゃないですから」

慧はシャーペンを動かしながら途切れ途切れに質問に答えた

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