高校生マフィア02
「え…何で?」
爽樹が言った
朱雀さんの言葉が信じられないみたいだ
私も自分の事ながら信じられない
「何で雪姫?え…まじで?」
卓真も言う
慧は朱雀さんを見詰めたまま口を開かない
「雪姫には悪いと思うよ。去年から頑張って貰ってこれは無いと俺も思う」
「じゃあ何で?」
爽樹が私をちらりと見た
私は自分でも驚く程、平然としていた
「ねぇ何で?雪姫が何で抜けなきゃなんないの?」
「爽樹、ちょっと落ち着いて。俺の話を聞いて?」
今にも朱雀さんに掴み掛かりそうな爽樹を制して、朱雀さんが語り出す
「やっぱり、雪姫は大変だと思うんだ。お父さん、警視総監でしょ。確かに雪姫は詐欺師としてかなり高いレベルなのは俺も分かってるけど、相手はプロだし。正直1年間何事も無かったのが奇跡だよ。
だから今回、皆の学校の生徒が関わってるかもしれないと判明した時から、雪姫には抜けて貰おうと考えてたんだ」