キミと一緒なら
とりあえず、死んではいないことだけは確実らしい。


「……えーっと」


「……」


「生きてる?」


私のお尻の下にある『地面にしては柔らかい何か』に向かって、尋ねてみた。


「……三途の川が見える」


若干うつろな目で、目の前にある川を見つめて彼がぽつりと呟いた。

よし、生きてる。


「それにしちゃ、やけに汚れた川だよね」


「あぁ、こんなとこは渡りたくないな……」


「だよね。魚、住んでなさそうだし」


「昔はたくさんいたんだけどな……って、いつまで乗ってるんだよ」


意識が回復したのか、つっこみを入れてくる私の相方。


「や、彼女の尻に敷かれる彼氏実写版というか」


「重いっての」


「失敬な。これでもクラスじゃ結構痩せてる方なんだよ?」


「そーいう問題か……って、危ないだろーが! 何ホントに飛んでるんだよ!」


がばりと起き上がるなり、彼は怒鳴りつけてきた。
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