キミと一緒なら
これが追い風だったら楽なんだけどね。

向かい風は向かい風で楽しいというか。

なんかこう、血が騒ぐと言うか。

こんな風に考える私はやっぱり変わり者、なのかも。

まぁ仕方ないじゃん、ウキウキは止まらないもの。


「いてっ」


何かが当たったらしく、足を押さえながら彼が呟いた。


「何、どーかした?」


「や、傘が飛んできた」


ひょいと拾い上げて、問題の傘を私に見せてみせる。

割と大きな、結構値の張りそうな傘だった。


「危ないねー」


「ホント。先っぽが飛んでこなくてよかったよ」


「だね。頭に刺さってたらさすがのキミでも危なかったね。血が出たかも」


「……血だけで済むとは思わないんだけどな」


「じゃあコブかな?」


「ターミネーターじゃないぞ俺は」
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