キミと一緒なら
「ちょっ、おい?」


彼が止める声も聞かず、私は風に乗って走り出した。

風が背中をぐいぐい押し、私はぐんぐん加速する。

まるで風と一つになったような気分になり、私のワクワク血液が全身を巡る。



十分に加速したところで、傘を広げ。



「よいしょー!」



土手の下に向かって、飛んだ。




「っの、バカー!!」


彼の慌てた声が耳に届いたかと思ったら。

びょおおうという大きな叫びにかき消される。

素晴らしい逆風。


土手の下から私を包むように吹き荒れたかと思うと。



体が、浮いた。
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