死に神の涙
「間違いないな?」
「貴様、カンジか?」

上から降って来た男が聞いてくる。

「俺は莞爾だけど、あんたら誰?」

莞爾が言い切らない内に一人がナイフを出して莞爾に切り掛かる。
容赦の無い一撃で鮮血が走る。

しかし、そこに莞爾の姿は見えなかった。

「どうやら、穏やかな利用で来たんじゃ無いみたいだな」

男二人が上を見る。
街灯の上に莞爾が立っていた。
到底一瞬で昇れる高さでは無い。
左腕からは血が溢れている。

「空使いか…」

一人が呟く。

「そっちが本気で行くならこっちも本気でいくぜ?」

莞爾が街灯から飛び降りる。
それと同時に莞爾の姿が消える。

「どこだ!」
「探せ!」

二人の後ろで莞爾が呟く。

「遅い」

一人が激しく吹き飛ぶ。
街灯に当たり、街灯が不気味に曲がる。

「っち!」

男が壁に向かって跳ぶ。
その足の周りの空気が歪んでいる。
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