死に神の涙
「あれ?他のバイトは?」
「ん?莞爾君と七海ちゃんの事?」

莞爾。七海はこの喫茶店で働くバイトの名前だ。
宇佐兎さんの放つ不思議なオーラに引き付けられるのか二人とも呪術者だ。

呪術とは。
いつから出来るのか。
何故出来るのかは正確には理解されて無い。
呪術者は体の気を使う事で術が使えると主に考えられている。
ある者は物を媒体に呪術を使い、中には媒体を必要としない者達も居る。

基本的な術…例えば火を出すとかは誰にでも出来るが、それから様々な技を覚えるには才能と努力が必要になる。
そして呪術を使った犯罪は一番罪が重い。
人を殺したとなれば実刑はまず免れない。

だが、実際足取りが掴みにくいのも確かだ。
国はこれを危惧し、呪術警察を設立。
あらゆる呪術犯罪は呪術警察によって扱われるようになった。
呪術警察が出来てから呪術犯罪が減ったのも事実である。

中にはどちらにも属さない者が居る。
それが彼、苅麻だ。
彼は本来、死界と呼ばれる世界の住人だが訳があり、人間界に来ている。
彼等は自在に鎌を操り、鎌を媒体とした呪術を使う。
並大抵の者なら術を使われた事も気付かないで命を落とすだろう。
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