死に神の涙
空中で二人がぶつかり合う。
どちらも一歩も引かない。

男が壁を蹴った反動を使い、莞爾に蹴りかかる。
莞爾は左腕で蹴りを防ごうとする。

しかし

腕は動かなかった。

莞爾は激しく吹き飛び、床にたたき付けられる。

「っが!」

男が上からとどめを刺しにくる。

その刹那

「貴様ら!何をしている!」

声のする方を見る。

赤い制服にバッチ。

この姿は間違いなく……

「呪術警察だ!呪刑方三条呪術の濫用により二人とも逮捕だ!」
「っち…」

男はとどめを指さずに走り出す。
振り向き様、莞爾に向かって腕を振るう。
すると莞爾が激しく燃え出す。

「っく!大丈夫か!?」

警察が必死に火を消す呪術を放つ。
火が消えた後、莞爾の姿は無く、血だけが残されていた。
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