死に神の涙

七海が莞爾の腕に手を当てる。
次第に七海の手から光の球が出て来て莞爾の腕に集まる。
その光の球が皮膚となり、肉となる。

「スイマセン！」

店の入り口から声が上がる。
苅麻は急いで店の方に向かった。

店の入り口に立っていたのは苅麻よりも背が高く、二人とも髪を短く刈り上げている。

「いらっしゃいませ。お二人で？」
「いえ、私達はお客じゃ無いんですよ」

一人が手帳を取り出し、広げる。
その手帳には

呪術警察 港地区担当 Ｂランク担当長 臼山 陳

と書かれて居た。

「呪術使いがＳ〜Ｃに別けられてるのはご存知ですよね？」
「は、はぁ…」

苅麻は死に神なのでこっちの事情はまったく分からないが、取り敢えず頷く。

「我々は港地区の主にＢランクの呪術者の担当をしてます。それで、横山莞爾さん。南七海さん、山辺宇佐兎さんにお話を聞きたいのですが、居ますか？」