死に神の涙
「や、やったのか?」

莞爾が言う。

「いや、まだだ」

突き刺した筈のキティがどんどん小さくなり、木の人形になった。

「人間と接し過ぎて腕が鈍りましたかね?」

キティがコンテナの上から声を掛ける。

「まぁ、両親が“アレ”ならしょうがないですか」
「黙れ!」

苅麻がキティに襲い掛かる。
苅麻の鎌とキティの鎌の競り合いになる。

「ここで決着は着けませんよ。まだまだ楽しみたいですからね」

キティの体の四方の床から鎌が飛び出る。
それが一斉にキティに振り落とされる。

「おっと」

キティは上に逃げようとするが、見えない壁に防がれて動けない。
莞爾が呪術を放ったのだ。

「っち」

キティが鎌を振るい、周りを一掃する。

囲んでた鎌が全て折られる。

「決戦は山の上の遊園地ですよ!道化師に相応しい場所でしょ?」

キティはそう言い残すと姿を消した。
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