死に神の涙
苅麻の鎌がキティの首に向かって振られる。

その時、キティが苅麻の頭に手を当て何かを呟く。
苅麻の動きが止まった。

その時、苅麻の周りを見えない刃が走る。
キティは素早く離れると刃を放った主を見る。

「ほぅ。お仲間の登場か」

莞爾が腕を振るう。
その動きに合わせて刃が走る。
キティを抑える間に宇佐兎と七海が苅麻に向かう。
苅麻は石のように動かない。

「苅麻君大丈夫?」

宇佐兎が苅麻に触ろうとした刹那、宇佐兎が吹き飛ばされる。

式神の稲荷が宇佐兎が床にたたき付けられる前に助ける。

稲荷は宇佐兎を吹き飛ばした本人…苅麻に唸る。

「か、苅麻…先輩?」

七海がじりじり下がる。

「無理だよ。彼は僕によって怒りを最大限まで出された。全てを破壊するか、苅麻を破壊するまで止まらないだろう」
「…!き、貴様!」

莞爾がキティに刃を走らせる。

キティは何ごとも無かったかのように姿を消す。

「せいぜい、頑張って生き残るんだね」

最後にキティの言葉だけが残った。
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