死に神の涙
男がオムレツを食べてる間に苅麻は宇佐兎と雑談していた。

「ねね、何話してたの?」
「なんの事で?」
「さっきの人と話してたじゃん?」
「ああ。たいした事じゃ無いですよ」
「ずばり当てようか」
「ずばり当てちゃいますか」
「七海ちゃんでしょ?」

時々思う。この人はエスパーなんじゃ無いかなと。
もしくは盗聴器か…。
宇佐兎さんならどっちでも有り得るのが怖いんだが。

「鋭いですね」
「伊達に苅麻君達と働いてないからね。七海ちゃんは看板娘だし」
「安心してください。宇佐兎さんも人気ありますよ?」
「あ、やっぱり?お姉さん困ちゃうなぁ」
「……」
「なにその沈黙は?」

その時、さっきの男が会計をしてくださいと言って来た。
苅麻が会計に行く途中、窓から不思議な者を見た。
一見すれば何処にでも居る男だ。
きっちりスーツでキメている。
たが、死に神である苅麻には分かった。

懐かしいな。

自分以外の死に神を見るのは。
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