死に神の涙
俺の両親…特に父親は死に神界でも有力な人物でな。
昔から忙しくて滅多に遊んでくれなかったよ。
母親はいつも優しくて、父親が居ない時はいつも一緒に遊んでくれたよ。
死に神界では今、二つの勢力が争ってるんだ。
人間を嫌う者と好む者。
父親は好む者達のリーダー的存在だった。
その分、何かと敵も多く、今思えば俺達に危害を与えない為に距離を取ってたんだと思う。

そして…死に神界には実行者と呼ばれる者達が居るんだ。
暗殺、策略、破壊工作、陰謀。
全ての裏を受け持つ団体だ。
俺もそんな実行者の一人だった…。
俺は全力で父親のサポートをした。
が…ある時、実行者の八人が急に裏切った。
理由は分からない。
実行者と言えば死に神界でも実力者達だ。
その八人によって俺らの勢力はほぼ壊滅状態になった。
だけど、俺ともう一人…裏切らなかった人が居たんだ。
その人のお陰で俺らの勢力は全壊を免れた。
彼はある日突然姿を消した。
…四人の実行者を葬って…。
父親達は俺を安全な人間界に送った。
その頃には俺らの勢力も次第に力をつけてきていた。
俺は…人間界で死に神を探し続けた。
裏切り者の四人を…。
そんなある日、宇佐兎さんに拾われたって訳さ。
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