死に神の涙
「らいらいねぇ、苅麻君は無茶しすぎなんよ…」

宇佐兎が酔った口調で言う。
七海は既にダウンしてソファで爆睡。
莞爾と苅麻もダウン寸前だ。
唯一、宇佐兎だけが未だに元気である。

「宇佐兎さん…明日も仕事なんですからそれくらいにしたらどうっすか?」
「なにを〜?莞爾君、まらまらあたしゃぁ飲むわよ!」
「苅麻…助けてくれ」
「スマン…こればっかりは無理だ…」

部屋の中にはところせましと酒の空き缶が散らばっている。

「莞爾〜!お酒はぁ!?」
「宇佐兎さん…もう無いっす…」
「無いですってぇ!?あやく、買ってきなさいよぉ!」
「ダメだこりゃ…」
「よし、俺が買いに行く」

苅麻が名乗りあげる。

「逃げる気か…?」
「まっさかぁ!」
「俺が行く!」
「いや、俺が!」

じゃんけんの結果、苅麻が負けて地獄の居残り。
莞爾は晴れて自由の身になった。

「じゃ、行って参ります!」
「早くな…俺が死ぬ…」

莞爾が部屋を出る。

「かぁるまぁくぅ〜ん」

苅麻は小さく溜め息を付く。
マジかよと。
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