死に神の涙
「で、今回のターゲットは?」
「……」
「……聞いてる?」
「……あ、なになに?」
「だ、か、ら!今回のターゲットは誰!?」

苅麻のアパートの屋上…立ち入り禁止の領域に二人の人が居る。

「嗚呼、苅麻って男だよ」

キティが答える。

「ふぅん。あんたの鎌を折った奴?」
「あれはホント困ったよ」
「これからどうすんの?」
「鎌使えないなら、もう戦えないよ。ま、見学に徹するよ」
「使えないガキ…」
「うるせ。で、リンはどういう手順で行くんだ?」

リンと呼ばれた女が鈴の付いた棒を取り出す。

「まぁ、倒して貰おうかなとね」
「…成る程」
「お、誰が出て来たよ?」
「あれは…莞爾って男だな」
「ふぅん。なかなかのイケメンじゃん」
「リン。仕事」
「っち…分かったよ。ってかあんたさ、手に持ってる紙は何?」
「これ?サーカスって言う集団の宣伝チラシだよ」
「サーカス?」
「人間が何メートルも飛んだり、動物に火の輪をくぐらせたりするんだぜ!」
「……ど〜でも良いわ…じゃあ、あたしは行くよ」
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