死に神の涙
「…あばよ」

莞爾が素早く腕を振るい、呪術を唱える。
リンの棒が折れ、鈴が重力により潰される。
莞爾は容赦なくリンの体を切りつける。
やがてリンは動かなくなり、煙となって消えた…。

「あらら。殺しちゃった?」

莞爾が驚いて言う。

「死に神は死なない。特に人間界ではな。奴は逃げただけだ」
「な〜んだ。で、稲荷。終わったかい?」
『これで最後です』

稲荷が動かなくなった男を放り投げる。

「教えてくれ。何故リンの攻撃が通用しなかったんだ?」
「…俺は過去に一回死んだんだ」
「…!?」

莞爾はゆっくりと話し出す。
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