死に神の涙
「ね〜ね〜。何作るの?」

カウンター越しに宇佐兎が聞いてくる。

「それは秘密です」
「当てちゃおうか?」
「当てちゃいますか」
「ナポリタンでしょ?」

時々思う。
この人はエスパーかなにかじゃないのかと。

「当たりです…。良く分かりましたね?」
「だって苅麻君ピーマン切ってるし。それにほら」

宇佐兎の目線の先にはパスタの袋が置いてあった。

「あ〜。これは見逃したわ…」
「まだまだだね。苅麻君」
「なんか悔しいな…」

その後特に会話は無く、テレビの音だけが流れていく。

『さて、次は呪術大学教授の前川さんに呪術とは何かを話してもらいます。宜しくお願いします』

テレビの司会の声が聞こえてくる。

苅麻は軽く意識をテレビに向ける。
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