死に神の涙
『ずばり呪術とは何ですか?』

初老の男が司会の質問に頷く。

『一番有力な説は、この世には現世の他にもう一つ別の世界があると言う考えです』
『ほぅ。別の世界とは?』
『仮にそれを霊界と呼ぶ事にしましょう。その霊界と現世が何らかの形で触れ合ったから呪術が出来たと私は考えてます』
『…なるほど。ではその霊界の者と言うか、何かがこちらの世界に来る事はあるんですか?』
『有り得なくはないと思うね。現に世界中で様々な未確認物体が発見されている。物に限らず人もね。中には呪術警察の中にも何人か居ると噂されてる』

司会が驚いた顔をする。

『政府はそれを知ってるのでしょうか?』
『もし本当なら知ってるだろうね。ただ、呪術が霊界の物だったのなら、警察になるのにこれ以上の人材は居ない。そこはギブアンドテイクだろうね。政府は秘密を守り、彼等は力を貸す』
『もし知り合いに彼等が居たら我々はどう接するべきでしょうか?』
『我々に害を与えない限り、同じ人間として接するべきだと思うよ。…詳しくはこの本に』

初老の男が本を取り出す。

『では、次は……』

その時に苅麻が声を上げる。

「良し!完成しましたよ」
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