つまり、愛



毎日毎日待ち伏せして、一緒に帰れる範囲まで帰る。暁人くんは何にも文句言わない。

ちょっと待ち伏せが遅れたら、すでに帰っているけれど、あたしを見れば一緒に帰ってくれる。



優しい優しい暁人くんが大好き。


今は、こうして一緒に帰れる仲でいれるだけで幸せ。


それ以上も以下もいらない。


だけど時々気になる。



本当は、うざいだけじゃないか、って

何にも言わずニコニコする暁人くんを見たら…そんな事思ってないって思うけど…


本当のことは何一つわからない。





クラスが騒がしくなったから、終わったと理解し暁人くんがでてくるのを待つ。




だけど、どうしてなのかな?
キミの声だけは鮮明で。



知りたいけど、
知りたくない。


キミの声で、キミのリアルな気持ちが聞こえてきたんだ。





「キライだよ。」

「いっつも一緒に帰ってんじゃん!」

「勝手に待たれてるし。」

「超美人なのに!」

「俺は、キライだし。」




『キライ』



…思ってた以上に、嫌がられていたみたいだ。


涙は、勝手に目に溜まる。
あたしは唇を噛み締めて涙をこらえる。






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