身長差15センチの関係 3

文化祭当日になっても、まだ開店準備に追われている店もあれば、

昼時には、売り切れごめんで休憩所になっている店もある。

文化祭には毎年見られる風物詩だ。

鈴璃もそのことは知っていたが、生徒会の仕事をメインでこなしていたので、

クラス企画の細かい準備状況は把握していなかった。

「……お昼まではもちそう?」

微妙に、そわそわしだす鈴璃。

「調理班に確かめてみるわ」

香織は、調理場に入って食材の状況を訊いてまわる。

鈴璃も、そろーっと調理場に入って香織の報告を待つ。

家族が学校にくるのは午前中だが、
鈴璃の店にくるのは昼前とは限らない。

鈴璃の店にやたら期待していた弟に、
いろいろ約束してきてしまった。

< 102 / 179 >

この作品をシェア

pagetop