身長差15センチの関係 3
文化祭当日になっても、まだ開店準備に追われている店もあれば、
昼時には、売り切れごめんで休憩所になっている店もある。
文化祭には毎年見られる風物詩だ。
鈴璃もそのことは知っていたが、生徒会の仕事をメインでこなしていたので、
クラス企画の細かい準備状況は把握していなかった。
「……お昼まではもちそう?」
微妙に、そわそわしだす鈴璃。
「調理班に確かめてみるわ」
香織は、調理場に入って食材の状況を訊いてまわる。
鈴璃も、そろーっと調理場に入って香織の報告を待つ。
家族が学校にくるのは午前中だが、
鈴璃の店にくるのは昼前とは限らない。
鈴璃の店にやたら期待していた弟に、
いろいろ約束してきてしまった。